2013年5月20日月曜日

五所平之助「マダムと女房」


天気がよければ神宮に明治対慶應の3回戦を観に行くつもりでいたが、あいにくの雨で中止。ここで明治が負ければ、優勝は直接対決を待たずに法政に決まるという局面だ。13時からBSプレミアムで山田洋次監督が選んだ日本の名作100本の再放送があるというので観てみた。
1931(昭和6)年製作、日本初の本格的トーキーであるという。渡辺篤と田中絹代。
60分に満たない短い喜劇であるが、銀幕からはじめて音が聴こえてくる歴史的な作品として随所に工夫されていて楽しめる。
タイトルクレジットが時代を感じさせない斬新な書体だった。昭和6年とはあるいはそんな時代だったのかもしれない。

2013年5月6日月曜日

成瀬巳喜男「稲妻」


母親が浦辺粂子。父親の異なる一男三女の兄弟の末が高峰秀子。次女の連れ合いが急死し、その保険金目当ての醜い人間模様が描かれている。原作は林芙美子だが、まだ読んでいない。
浦辺粂子は小津安二郎や成瀬作品にたびたび登場するいいキャラクターだが、この映画では準主役といってもいいくらい。独自の味わいをふんだんに発揮している。平凡で愚鈍でごく普通の母親である。
高峰秀子はバスガイドをしている。銀座などなつかしい東京が随所に顔を出す。
すぐ上の姉三浦光子が亡くなった夫の愛人を高峰秀子と訪ねるシーンがある。木橋を渡る。どうやら木場らしい。新田橋といい、今では赤い鉄橋に架けかえられている。
2013年のゴールデンウィークはこうして終わった。

2013年5月5日日曜日

小津安二郎「東京暮色」

父笠智衆と子連れで実家に帰って来た長女原節子、そして大学卒業後自分を見いだせないまま悪い連中と交友を続ける次女有馬稲子が雑司が谷の坂上の家に住んでいた。この坂から望む東京の風景は残されているのだろうか。はるか昔に家を出た母山田五十鈴は五反田の雀荘で働いていた。近くに池上線の高架があり、駅は大崎広小路だ。
ラストで男と北海道に旅立つ母。上野発の夜行急行津軽に乗り込み、長女の見送りを待つ。上野駅の12番線では明治大学の校歌を歌う若者らがいる。
母親の不倫、長女夫婦の不和、次女の堕胎と重いストリーのなかを淡々と生き抜く笠智衆。妙に軽快なB.G.M.はあたかも彼への応援歌であるかのようだった。