2014年8月31日日曜日

黒澤明「赤ひげ」

山本周五郎原作、黒澤明監督という名作メーカーによる作品。
三船敏郎、加山雄三という新出、安本ラインは鉄壁のキャスティングだ。内藤洋子の可憐さもさることながら、おとよ・二木てるみ、長坊・頭師佳孝、天才子役ふたりの演技が光る。
あっという間の3時間だった。

2014年8月18日月曜日

和田誠「麻雀放浪記」

8月に相応しい映画ではないかもしれないが、舞台は敗戦直後の上野。
戦争の傷跡が見られる。
真田広之が20代半ば。鹿賀丈史も大竹しのぶも若い。終戦直後、日本の新たな出発を彩るに相応しいフレッシュなキャストだ。
その一方でベテランの味も光る。悪人になりきれない名古屋章は終わったギャンブラーであり、高品格は旧日本の象徴的存在だ。
戦争と平和の、混沌とした時代の狭間に人間のどろどろした欲望が渦巻いていたことをあらためて知らされるのだ。

2014年8月11日月曜日

岡本喜八「日本のいちばん長い日」

終戦の日も近い。
69年前の8月15日をふりかえってみる。
先の大戦を取り上げた映画は多い。それぞれテーマがはっきりしていて、名作ぞろいだ。
今回観たのはポツダム宣言受諾から、玉音放送までのごく短い時間に起きたできごとをみごとにドラマ化して描いた傑作「日本のいちばん長い日」である。
誰が特にいいとうわけではないが、キャストがいい。それぞれが実在の人物を丁寧に再現している感じがする。

2014年8月7日木曜日

倉内均「日本のいちばん長い夏」

8月に相応しい映画第二弾はこれ。
昭和38年に『文藝春秋』の編集者だった半藤一利が企画して行われた座談会の再現ドラマである。俳優よりも作家やジャーナリスト、大学教授、アナウンサー、アニメーション監督、スポーツキャスターなど文化人がそのキャストの大半を占める。芝居がかっていない朴訥とした語り口にリアリティを感じさせる。
岡本喜八の「日本のいちばん長い日」と間違えて借りてきたのではないかって?
それもそうなんだけどね。

2014年8月2日土曜日

原田眞人「クライマーズ・ハイ」

8月になった。
8月には8月に相応しい映画を観るべきではないか。
なんてちょっと真っ当なことを考えてみた。戦争にまつわるものが真っ先に頭に浮かぶが、御巣鷹山の日航機事故も忘れてはならない惨劇だ。
報道には裏取りが必要となる。相手の顔色を読んだり、言外のニュアンスを汲みとったり。そこらへんが記者の腕の見せどころなのだろう。佐々木俊尚の『「当事者」の時代』で紹介されていた。
谷川岳に命がけで登ろう気はさらさらないけど、土合駅でいちど下車してみたいものだ。