2016年11月25日金曜日

レジス・ロワンサル「タイピスト!」

以前、早稲田松竹で予告編を見た。
しばらく忘れてたけどようやく観ることができた。
田舎から出てきた女の子のスポ根物語。ちょっとめんどくさい男との恋愛ドラマがからみつく。
タイプライターの早打ち世界大会ってほんとうにあったのどうか知らないけれど、1950年代のお話だから、それくらいのことはあっていい。それにしても50年代のファッションってとてもおしゃれだ。
オープニングのアニメーションもいい。音楽もいい。
やっぱり思い出してよかった。

2016年11月24日木曜日

五社英雄「226」

豪華キャストによる作品だ。
これだけのスターがほんとうに必要だったのだろうか。
事件そのものはすぐはじまって、すぐ終わる。26日はあっという間に終わる。そこからが長い。キャストが豪華なせいもある。男性陣はともかく、女優も粒ぞろいである。
なんだけどなあ。

2016年11月21日月曜日

マーティン・スコセッシ「アビエイター」

ケイト・ベッキンセイルの出演している映画をさがしていたら、この映画が引っかかった。
10年ほど前にアメリカの実業家ハワード・ヒューズの半生を綴った映画として公開された。ヒューズも莫大なお金を投じて映画製作をしたそうだが、この映画も相当な費用がかかっている(ように見える)。あの巨大な飛行機ハーキュリーはまさか実写ではあるまい。ミニチュアでもないだろう。C.G.にしてはよくできている。
いろいろよくできているのでケイト・ベッキンセイルが目立たなかったではないか。

2016年11月10日木曜日

テイ・ガーネット「郵便配達は二度ベルを鳴らす」

原作はジェームズ・M・ケインの小説(1934年)。
幾度か映画化されているせいもあるだろう、その魅力的な邦題だけは記憶に残っていた。お名前だけは存じ上げております、と答える以外に術のないまったく知らない人みたいに。
ラストシーンでどうしてこのような題名が付けられたのかがわかる。ずいぶんまわりくどい話だなとは思う。
もちろん最後まで郵便配達員はやってこない。

2016年11月8日火曜日

野村芳太郎「鬼畜」

東武東上線の男衾から物語ははじまる。
舞台は川越の印刷屋。
東京タワーや上野の70年代後半の風景に出会える(松本清張が参考にしたという実際の事件はその20年ほど前に起きている)。もちろん景色を楽しんでいるどころじゃない。
印刷屋の店主は長男の死に場所をさがして北陸を旅する。昔仕事で訪ねた福井の海がなつかしい。
父親をかばう長男利一はまさに「砂の器」の秀夫の父千代吉(加藤嘉)のようだった。

2016年11月4日金曜日

蔵原惟繕・深作欣二「青春の門」

五木寛之の大河小説『青春の門』は幾度か映画化、ドラマ化されている。
今回観たのは1981年公開、信介役は佐藤浩市。彼のデビュー作である。
菅原文太、若山富三郎、松坂慶子とキャストも豪華だ。
北九州には巨大な製鉄所があった。
直方、田川、飯塚あたりは網の目のように鉄道が敷かれ、蒸気機関車が闊歩するように走っていた。
日本の青春時代、筑豊炭田はまさにエネルギーの源だった。

2016年11月1日火曜日

黒木和雄「父と暮らせば」

原爆ドームをはじめて見たのは高校卒業間際の3月だった。40年近く前のことだ。
原作は井上ひさしの戯曲。まだ読んでいない。
ヒロシマについて、僕はあまりに知らなさ過ぎた。
「黒い雨」にしろ、この映画にしろ観ておくべきだった。原爆ドームを見る前に。
原子爆弾の物理的破壊力が悪とされている。放射能汚染による身体的な被害も深刻だ。それにもまして人の心を蝕んでいく。生き残った娘と生き残れなかった父がそれを語ってくれる。
もともとが演劇だったこともあり、出演者はごくわずか。セットもきわめてシンプル。
好きな映画だ。