2019年4月30日火曜日

黒澤明「七人の侍」

志村喬、三船敏郎、木村功、稲葉義男、千秋実、加東大介、宮口精二。
黒澤映画でおなじみの名優たちが野武士たちを討つ。
三船敏郎以外はすべてかっこいい。
とりわけ宮口精二がいい。
今リメイクしたらどんなキャストになるだろう。
勘兵衛・佐藤浩市、菊千代・木村拓哉、勝四郎・中村倫也、五郎兵衛・浅野忠信、七次郎・鈴木亮平、平八・香川照之、久蔵・嶋田久作。
嶋田久作はもちろん「帝都物語」の嶋田久作だ。
平成最後の暇な休日、くだらないことを考えている。

2019年4月29日月曜日

ティム・バートン「スリーピー・ホロウ」

ティム・バートンの作品では「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」や「チャーリーとチョコレート工場」を観ているけれど、実はそれくらいしか観ていない。
ドキドキわくわくするような映画を観ることが少なかったせいもある。
スリルがあって、スピード感があって、付いていくのがやっとである。
いずれもういちど観てみたい、平成の次の時代にでも。

2019年4月21日日曜日

黒澤明「用心棒」

三船敏郎になにかおもしろいことをやらせるというのが、黒澤明の大きなテーマのように思える映画がある。
この映画の三船もいたずら小僧のような役柄をうまくこなして、監督と観客の期待に応えている。
日本を代表する俳優ではあるものの、三船敏郎はけっして演技派ではない。
こう言ってしまっては申し訳ないが、存在感の役者である。
芝居としては仲代達矢の方が真に迫っていると思う。
それでもどちらを主役にするかといえばやはり三船なのである。
うまく言えないけれどそれが黒澤映画なのだ。

2019年4月20日土曜日

ジョン・フォード「タバコ・ロード」

その昔同名の小説を読んだことがある。
シャーウッド・アンダースンが作者だと思っていたが、これは記憶違いで原作はアースキン・コールドウェルだ。
内容は記憶にない。
1930年代、開墾によって発生した砂嵐で多くの農地が耕作不能に陥り、農民が深刻な困窮状態になる。
レスター一家も長年耕してきた農地を銀行に取り上げられる。
「怒りの葡萄」のジョード一家は土地を諦め、西部に望みをかけるが、レスターは(というよりこの映画は)きわめて明るい。
全体としてはかなしい話ではあるけれど、少しだけ明るさを残したラストシーンはこの映画のかすかな救いだ。


2019年4月17日水曜日

フランク・キャプラ「或る夜の出来事」

クラーク・ゲーブルがいかす新聞記者として大金持ちの令嬢とかかわる。
「ローマの休日」のケーリー・グラントと似た立ち位置。
クラーク・ゲーブルは「風と共に去りぬ」でおなじみのスターだが、あまり映画を観ない者からするとグレゴリー・ペックもジェームス・スチュアートもみな同じに見える。
アメリカ人が日本の古い映画を観たら、森繁久彌もフランキー堺も千秋実も渥美清もきっと同じ人に見えるに違いない。
1934年、母の生まれた年の映画だ。
アメリカにはこんなに昔からおもしろい映画があったんだなと思う。

2019年4月15日月曜日

武内英樹「今夜、ロマンス劇場で」

映画のスクリーンからお姫さまが飛び出してくる。
誰もが夢みる物語を近ごろの映画はかなえてくれる。
ドラマの主要部分は1960年頃、映画産業に陰りが見えはじめた時代だ。
綾瀬はるかの‘なりきる’演技はきらいではないし、北村一輝、中尾明慶、柄本明と脇がいい映画は観ていてあんしんできる。
年老いた映画青年が加藤剛というのもなかなかしゃれたキャスティングだと思う。

2019年4月9日火曜日

デイヴィッド・リーン「オリヴァ・ツイスト」

何年かおきにディケンズの長編が読みたくなる。
『オリバー・ツイスト』は10年前に読んでいる。
たしかその前には『デイビッド・コパフィールド』、その後に『二都物語』を読んでいる。
ディケンズの小説はおさまるところにおさまるので安心して読んでいられる。
映画もそうなのだが、オリバーが悪いやつらにつかまると少々心配になる。
そこら辺が映画のいいところかもしれない。
ハッピーエンドだっかって?
そんな野暮なことはここには書かないよ。