2017年6月16日金曜日

斎藤武一「愛と死をみつめて」

「キューポラのある街」に続く吉永小百合の名作。
顔を半分隠しての大ヒット、吉永小百合の存在感が際立つ。
子どもの頃テレビドラマで視た記憶の中のミコは島かおりだった。
不治の難病に冒され若くして死んでいくヒロインを見るのは悲しすぎていやだった。
今、歳をとってから見てみると不思議と浜田光男の立ち位置ではなく、笠智衆に感情移入してしまう。
大阪の病院を見舞って列車で兵庫に帰る父。ミコとマコがホームで手を振る。車窓から手を振り返す父。
やがて娘の姿が見えなくなり、父はひとり嗚咽する。
めずらしくほとばしる感情をおさえきれない笠智衆の演技。
いちばん泣けるシーンだった。

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