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2021年6月28日月曜日

石川慶「蜜蜂と遠雷」

本屋大賞だの直木賞だのとずいぶん話題になった原作を読んだのが一昨年2019年10月。
ちょうどこの映画が公開された頃だ。
読み終わって、映画も観てみたいと強く思ったものの、あと何週間かで、映画が安く観られるようになるというケチな気持ちに後押しされて、結局見そびれてしまったのである。
はやくアマゾンプライムで観れないかなとかテレビで放映しないかななどと観たい気持ちとケチな心を保持しながら、待った甲斐あり。
ようやく観ることができた。

2020年8月26日水曜日

川村泰佑「映画 ひみつのアッコちゃん」

綾瀬はるかのいいところは(女優なんだから当然のことかもしれないが)なり切れるところだと思う。大人なのに小学生なんだという役であれば、とことんなり切る。世の中には絶対いないだろう役を見事に演じてみせる。

すごい役者だなと思う。

2020年8月24日月曜日

クリント・イーストウッド「ハドソン川の奇跡」

トム・ハンクスの映画には実話を題材にしたものが多い。「アポロ13」、「プライベート・アイアン」など。この映画も2009年に実際起った不時着事故がベースとなっている。

ただ「アポロ13」のように生還までのドラマを追う話ではなく、事故後の検証を舞台にしているところがなかなかおもしろい。

監督はクリント・イーストウッド。著名な俳優でもあった人だが、なにぶん映画は不勉強なもので彼の出演した映画も監督した作品もほぼ観ていない。

それにしてもいいシナリオだった。

2020年8月21日金曜日

宮崎吾朗「コクリコ坂から」

原作は漫画。舞台は横浜。この映画を観るまでは知らなかった。

コクリコ坂は山手から元町に通じる坂道と言われている。山下公園を歩いたりもする。1964年当時の横浜はもはやアニメーションでなければ再現できないだろう。

港南学園は希望ヶ丘高校がモデルらしい。横浜の名門校だ。

2020年7月14日火曜日

ウッディ・アレン「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

コロナウイルス感染拡大はまだ収束には遠い。
ひさしぶりに来た映画館は、ひとつおき、一列おきに座席が指定されていた。
平日の昼間だから、さほど多くの客がいるわけではない。
ウッディ・アレンの新作は、いつものように(といっていつもそうだかどうかわからないけれど)おしゃれなドタバタ劇だった。
いったいラストはどうなってしまうんだろう、そんな心配をしながら観ていた。

2020年6月5日金曜日

チャン・フン「タクシー運転手」

韓国映画をひさしぶりに観た。
ずいぶん前にもよく観たことがあったけれど、あまり記憶に残っていない。
思い出せるのは、「大統領の理髪師」「南極日誌」「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」くらいか。
要するにソン・ガンホとチョン・ジヒョンを憶えているに過ぎない。
この映画もソン・ガンホ。
時代背景としては「大統領の理髪師」より後だが、似た空気を宿しているように思う。
たいへんおもしろい映画であった。

2020年1月20日月曜日

山崎貴「ALWAYS三丁目の夕日'64」

正月休みに録画した「ALWAYS三丁目の夕日」を立て続けに観た。
この映画の見どころは、コンピュータグラフィックスで再現されたなつかしい東京の風景、そして細かに描かれた小道具の数々など当時のシズル感ではあるけれど、何より素晴らしいと思えるのは、茶川竜之介(吉岡秀隆)と古池淳之介(須賀健太)の会話である。
ふたりの演技は秀逸なのだが、とりわけ吉岡の劇中劇的な、芝居には感嘆する。
淳之介に言いたくない台詞を言う、とりたくない態度をわざととる。
そんな芝居が観ているものをしっかり泣かせてくれる。
間に入ったヒロミ(小雪)も難しい表情を見事に演じている。

2019年9月4日水曜日

内田けんじ「鍵泥棒のメソッド」

内田けんじの映画をはじめて観たのは十数年前、「運命じゃない人」というタイトルだった。
登場人物が微妙にかかわり合いながら、それぞれの視点でストーリーが構成されている。
目からウロコというか、当時その斬新な構造の映画に驚いた記憶がある。
今回観たこの映画も桜井、コンドウ、水島香苗のそれぞれの視点が気になる。
プロットと脚本がしっかりできている映画だと思った。

2019年8月2日金曜日

塚本晋也「野火」

夏になると戦争にまつわる映画を観たり、小説を読むことを心がけている。
それが日本人としての務めのような気がして。
映像技術が進歩しているせいで、火器を使った戦争映画がリアルになっている。
近代的な火器と映像技術を発達させたのは世界的な反戦運動家だったに違いないと思わせるほど残忍で悲惨な描写が可能になっている。
先日観た「プライベート・ライアン」なんてもういちど観よう気が起こらない。
ずいぶん昔に原作を読もうとして途中で断念した苦い記憶がある。
いずれにしても読み直してみたいと思っている。

2019年5月12日日曜日

山崎貴「DESTINY 鎌倉ものがたり」

C.G.をふんだんに使った魔界もの。
原作は「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じく西岸良平だ。
映画としてじゅうぶんなエンターテインメントを楽しんでもらおうという意図が感じられる一方で西岸良平らしい空気感も保持できている。
よくできている映画だと思う。

2019年4月15日月曜日

武内英樹「今夜、ロマンス劇場で」

映画のスクリーンからお姫さまが飛び出してくる。
誰もが夢みる物語を近ごろの映画はかなえてくれる。
ドラマの主要部分は1960年頃、映画産業に陰りが見えはじめた時代だ。
綾瀬はるかの‘なりきる’演技はきらいではないし、北村一輝、中尾明慶、柄本明と脇がいい映画は観ていてあんしんできる。
年老いた映画青年が加藤剛というのもなかなかしゃれたキャスティングだと思う。

2019年2月23日土曜日

ベン・リューイン「500ページの夢の束」

自閉症というのは(たぶん)経験したことはないが、どことなくわかる気がする。
スタートレックも見たことはないけれど、なんとなくわかる気がする。
 他のことはともかくスタートレックに関してなら、とてつもない創造力を発揮する自閉症の女子がサンフランシスコからロスアンゼルスへ旅に出る。
パートナーであるチワワのピートが圧倒的にかわいい。
ロス市警のスタートレックおたくの警官もいかしている。
ハラハラしどうしだけれど、最後はほっとあたたかい気持ちになれた。

2019年2月22日金曜日

ジェームズ・サドウィズ「ライ麦で出会ったら」

J.D.サリンジャーのThe Catcher In The Ryeは何度か読んでいる。
野崎孝訳で読んで、ペーパーバックで読み、村上春樹訳も読んだ。
1992年、はじめてニューヨークを旅したときもセントラルパークのメリーゴーランドだけは絶対見たいと訪ねた。
ホールデン・コールフィールドに感情移入するしょうもない若者はいつの時代にもいる。
サリンジャーを訪ねるしょうもない高校生のロードムービーどいった趣きではあるが、まさかキャスティングされたサリンジャーに会えるとは思わなかった。
永遠に隠遁している人でもよかったんじゃないかとも思う。

2019年2月9日土曜日

ルイ・レテリエ「グランド・イリュージョン」

4人のマジシャンがスケールの大きい犯罪を企てる。
たね明かしもされるのだが、マジックというのはなんでもできてしまうフレームだ。
マジシャンたちより彼らを追いかける側に視線が注がれる。
「オーケストラ」の天才バイオリニストだったメラニー・ロランがいればなおさらだ。
続編も公開されたようだが、残念ながら彼女はいない。

2019年2月6日水曜日

瀬々敬久「菊とギロチン」

昨年公開され、評価の高かった映画を観る。
大正時代に興業のあった女相撲とアナキスト集団にもし接点があったとしたらという発想から生まれた作品。
明治から大正へ時代が移る。この時代、日本はあらゆる可能性を秘めた少年時代だったのかもしれない。
高い理想を持ち続けた若者たちは次々に排除されていく。
大正デモクラシーの黄昏がはじまっていた。

2019年1月13日日曜日

ジェローム・ル・メール「ブルゴーニュで会いましょう」

2015年のフランス映画。
原題は「Premieres Crus」、はじめての収穫といった意味か。
映画館の予告編で観てみたいなと思った記憶がある。
ワインをつくるなんてたいへんな仕事なんだろう。
登場する農家の人々の顔がそう語っている。
主人公のワイン評論家シャルリはみごとなワインをつくってしまうけれど、それがまた映画のいいところでもある。

2019年1月3日木曜日

若松孝二「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」

正月早々重苦しい映画を観た。
三島由紀夫の自決は少年時代の衝撃的な事件だった。
それからしばらく経って彼の作品を読むようになったが、その思想と行動はいまだによくわからない。
思想の狂気化、あるいは美学の暴走か。
市ヶ谷の防衛省前を通りがかるとき、50年近い昔そんな事件があったことを思い出す。

2019年1月2日水曜日

藤森雅也「かいけつゾロリZZのひみつ」

かいけつゾロリは以前仕事でお世話になった。
とあるお菓子のキャラクターとして起用され、テレビコマーシャルの企画を考えたのだ。
図書館で原作を何冊かまとめて読んだ(大人読みだ)。
子ども向けの図書としてロングセラーであるというが、大人が読んでもおもしろい。
作者の原ゆたかは僕たちの世代である。
随所になつかしいネタやおやじギャグが仕組まれている。
映画においても同様。
よく観ると大人だけがくすりと笑える箇所がいくつも隠されている。

2018年12月12日水曜日

ロン・ハワード「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK」

ザ・ビートルズとは何だったのか。
オンタイムでビートルズ登場の衝撃を受けた世代もある。
少し遅れて知った者たちもある。
ずっと後になってめぐりあった若者たちもいる。
気が付いたときにはすでに解散していたビートルズを、僕は草一本生えない砂漠に突如あらわれたゲームセンターみたいなものとイメージしている(なんとも貧困なイメージだ)。
ジョン・レノンの「僕たちはキリストより人気がある」という発言が物議をかもしたこともあるが、産業革命とビートルズは大英帝国が後世に遺した偉大な歴史である。
ユネスコ世界文化遺産に認定される日もそう遠くはないだろう。

2018年12月10日月曜日

石川淳一「ミックス。」

卓球映画といえば、曽利文彦監督の名作「ピンポン」が知られている。
松本大洋原作の漫画を映画化したものでどっぷり卓球に浸かっている。
この映画はラブストーリー。卓球は少し薄められている。
新垣結衣と瑛太だから映画としてのある程度の成功は約束されているものの、吉村真晴や伊藤美誠が出てきたり、水谷隼、石川佳純のおまけまで付いていて楽しい。
卓球に限らず、スポーツを題材にした映画は制作者にとっても出演者にとっても難易度が高い。
リアルに描ければ描けるほど観客を惹きつけるだろうから。
キャストたちはずいぶんがんばっている。
でもなんといっても蒼井優の存在がこの映画を引き締まったものにしている。