⊆∧ ∨∧?(cinéma)
映画を観た。 忘れないうちに書き留めておこう。
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2021年11月8日月曜日
熊谷久虎「指導物語」
定年も間近な老機関士が帝国陸軍鉄道連隊の機関特業兵の運転指導にあたる。
不器用な老機関士と若い機関特業兵の、やはり不器用に心を通わせる。
1941年10月公開。
太平洋戦争に突入する直前、国民の戦意高揚を担った作品であることは明らかであるが、不器用なふたりは観ていて心があたたまる。
佐倉駅と千葉駅が登場する。海岸線をC58が走り抜けていく。房総半島だろうか。
小学生の頃、「すばらしい蒸気機関車」という記録映画を観たことを思い出した。
2020年5月20日水曜日
チャールズ・チャップリン「独裁者」
NHKBSでまたしてもチャップリン。
1940年公開という。
微妙な時期に微妙な映画をつくったものだと思う。
他の作品(もちろんすべてを観たわけではないが)とくらべても、ツッコミが浅い。
チャップリンが何を訴えたかったのか、世の中に何を残したかったのかがよくわからなかった。
2020年4月29日水曜日
チャールズ・チャップリン「殺人狂時代」
原題は「Monsieur Verdoux」、ムシュ・ベルドゥとはチャップリン扮する主人公の名前だ。
先にヒットした「黄金狂時代」にあやかって付けられた邦題か。
原案はオーソン・ウェルズ。
実在した殺人鬼を主人公に脚本を書き、チャップリンに主演を依頼したのがきっかけだそうだ。
チャップリンはそのとき断ったのだが、後に作品を考案する。
クレジットに“原案 オーソン・ウェルズ”とあるのはこのことによる。
チャップリン映画はいずれもコメディだけでなく、ある種の深みを持っているが、この作品も例外ではない。
重厚なメッセージを含んでいる。
2019年5月9日木曜日
キャロル・リード「第三の男」
何度か観ている気もしているし、ブツ切り的に観ているだけかもしれない名作。
こんな物語だったのかと思うのだから、おそらくちゃんと観ていなかったのだろう。
戦争の疵後を残したままのウィーンでロケされ、下水道の撮影もロケだったと聞く。
たいへんな撮影だったと想像する。
2019年4月20日土曜日
ジョン・フォード「タバコ・ロード」
その昔同名の小説を読んだことがある。
シャーウッド・アンダースンが作者だと思っていたが、これは記憶違いで原作はアースキン・コールドウェルだ。
内容は記憶にない。
1930年代、開墾によって発生した砂嵐で多くの農地が耕作不能に陥り、農民が深刻な困窮状態になる。
レスター一家も長年耕してきた農地を銀行に取り上げられる。
「怒りの葡萄」のジョード一家は土地を諦め、西部に望みをかけるが、レスターは(というよりこの映画は)きわめて明るい。
全体としてはかなしい話ではあるけれど、少しだけ明るさを残したラストシーンはこの映画のかすかな救いだ。
2019年4月9日火曜日
デイヴィッド・リーン「オリヴァ・ツイスト」
何年かおきにディケンズの長編が読みたくなる。
『オリバー・ツイスト』
は10年前に読んでいる。
たしかその前には
『デイビッド・コパフィールド』
、その後に
『二都物語』
を読んでいる。
ディケンズの小説はおさまるところにおさまるので安心して読んでいられる。
映画もそうなのだが、オリバーが悪いやつらにつかまると少々心配になる。
そこら辺が映画のいいところかもしれない。
ハッピーエンドだっかって?
そんな野暮なことはここには書かないよ。
2017年2月27日月曜日
小津安二郎「風の中の牝鷄」
四方田犬彦が『月島物語』の中で紹介している小津安二郎監督の松竹映画。
千葉泰樹の「下町(ダウンタウン)」同様、夫の復員を待つ妻がひと夜限りの過ちをおかす。
女性がひとりで(あるいは子ども連れて)生きていくことが過酷な時代だった。
夫佐野周二が月島を訪ねる。隅田川沿いにたたずむその背後に勝鬨橋が見える。
四方田によれば、この作品と翌年の「晩春」以降、下町はわずかな例外をのぞいて小津作品から姿を消し、舞台は東京近郊の山の手や湘南に移っていく。
小津の生まれは深川だった。
2016年11月10日木曜日
テイ・ガーネット「郵便配達は二度ベルを鳴らす」
原作はジェームズ・M・ケインの小説(1934年)。
幾度か映画化されているせいもあるだろう、その魅力的な邦題だけは記憶に残っていた。お名前だけは存じ上げております、と答える以外に術のないまったく知らない人みたいに。
ラストシーンでどうしてこのような題名が付けられたのかがわかる。ずいぶんまわりくどい話だなとは思う。
もちろん最後まで郵便配達員はやってこない。
2016年4月19日火曜日
渡辺邦男「異国の丘」
シベリアに抑留されていた兵士たちの間で歌われた曲が「異国の丘」である。
作詩の増田幸治も抑留者だったという。
終戦後最後まで内地に戻れなかったのがシベリア抑留者だった。家族は何年も不安なまま日本で夫の、父の、息子の帰還を待った。
まさにこの映画のように。
林芙美子の短編「下町」を思い出した。
夫のシベリアからの帰りを待つ妻りよが主人公だ。行商で静岡のお茶を売って歩いた。四つ木あたりが舞台だった。
2012年1月25日水曜日
小石栄一「流れる星は生きている」
小説家新田次郎の妻、そして数学者藤原正彦の母
藤原ていの原作
は終戦後中国大陸からの引き揚げの記録だ。阿佐ヶ谷ラピュタで上映されると聞いて駆けつけた。主演は三益愛子。原作では引き揚げの苦労や悲惨さが強調されているが、映画では引き揚げ後の暮らし、そして夫の帰還までが描かれている。原作と映画には多少のズレはあるが、いずれも壮大な人間ドラマであることに違いはない。
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