2014年12月30日火曜日

佐藤純彌「桜田門外ノ変」

佐藤純彌監督というと「植村直己物語」や「敦煌」をはじめとしたスケールの大きな作品を思い浮かべる。
府立一中(現日比谷高)から東大文学部に進んだというから英才でもある。
佐藤純彌が吉村昭の原作にどう挑んたか、興味津々で観た。
事変の現場が前半にあらわれた。
そこにいたるまでの水戸急進派の動きと事変以降の上京、そして逃亡がその後に幾重にもオーバーラップする。あえて難解な構成を選んだ。
吉村昭の『長英逃亡』もそうだが、タイミングがいかにたいせつかがわかる。水戸浪士の動きは遅きに失したともいえるだろう。時期尚早だったとも別の意味では言えるだろう。
時代は刻一刻と大きく動いていたのだ。

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