終戦の日にテレビで放映された「火垂るの墓」を久しぶり観た。
空襲で母親と家を失ったきょうだいの哀しい物語だ。野坂昭如の実体験に基づいた短編小説が原作になっている。
次の週、ラジオを聴いていたら今の若い人たちを中心にこのきょうだい、とりわけ兄の清太に対して、自己中心的であるとか、未熟であるといった批判が多いという。戦時下の過酷な状況は誰にとっても同じなのに邪魔者扱いする遠縁の親戚に反抗的な態度をとったりするのはおかしいというわけだ。できもしない自活をして、盗みを働くなど言語道断だという。
ああ、そういうものの見方もあるのだなと思った。
2025年8月20日水曜日
2025年4月18日金曜日
村山新治「旅路」
中学の頃。よせばいいのに生徒会の役員にさせられた。僕が通った中学校は他にあまり例を見ない学園祭があった。たぶん、教育労組懇談会という組合(日教組)とは少し性格を異にした組織に加入する教員が多かったせいだろうと思っている。生徒の自主独立をめざしたのかもしれない。
その学園祭で他の中学校の生徒会役員を呼んでディスカッションするといったイベントが企画された。もうそれだけで生徒の自主独立じゃないよね、自主独立を求める教師たちの思惑だよね。
で、その会合にひときわ美しい女生徒がいたのだ。恋に落ちるとかそんな余裕すら感じさせない圧倒的な美人だった。僕はただでさえ人前で声を出すことなんてなかったから、彼女と話すこともなく、当時の生徒会長と他校の生徒会とのやりとりで終わった。
2年後、高校にすすむ。なんとその美人がいるではないか。クラスは違うが、何組かをつきとめて名簿で調べると彼女は同じ区内の中学校出身でその名はサクマヨシコだった。中学時代と同様、僕は見知らぬ人に話しかけるのが苦手で結局彼女と会話する機会はなかった。廊下ですれ違ったとき、彼女が少しでも、この人知ってるかもしれないみたいな視線を投げかけていれば別だが、そんなこともなかった。
高校を終え、大学に進学した。同じ高校から10数人がすすんだ。そのなかにサクマヨシコがいた。
一度だけ彼女と会話したことがあるような気がしている。大学生になってから、同じ高校でしたよねみたいな視線を投げかけられて声をかけたような記憶もある。仮にあったとしてもどのみちそれっきりである。
昭和42年の映画を観る。監督は東映で現代劇中心に撮っていた村山新治である。阿佐ヶ谷ラピュタで特集されていた。三國連太郎の「大いなる旅路」のオマージュであろうか。
鉄道員仲代達矢とその妻佐久間良子。佐久間の美しさが引き立つ。今だと石原さとみか。悠木千帆がいい演技で盛り立てていた。鈴木やすしも。
その学園祭で他の中学校の生徒会役員を呼んでディスカッションするといったイベントが企画された。もうそれだけで生徒の自主独立じゃないよね、自主独立を求める教師たちの思惑だよね。
で、その会合にひときわ美しい女生徒がいたのだ。恋に落ちるとかそんな余裕すら感じさせない圧倒的な美人だった。僕はただでさえ人前で声を出すことなんてなかったから、彼女と話すこともなく、当時の生徒会長と他校の生徒会とのやりとりで終わった。
2年後、高校にすすむ。なんとその美人がいるではないか。クラスは違うが、何組かをつきとめて名簿で調べると彼女は同じ区内の中学校出身でその名はサクマヨシコだった。中学時代と同様、僕は見知らぬ人に話しかけるのが苦手で結局彼女と会話する機会はなかった。廊下ですれ違ったとき、彼女が少しでも、この人知ってるかもしれないみたいな視線を投げかけていれば別だが、そんなこともなかった。
高校を終え、大学に進学した。同じ高校から10数人がすすんだ。そのなかにサクマヨシコがいた。
一度だけ彼女と会話したことがあるような気がしている。大学生になってから、同じ高校でしたよねみたいな視線を投げかけられて声をかけたような記憶もある。仮にあったとしてもどのみちそれっきりである。
昭和42年の映画を観る。監督は東映で現代劇中心に撮っていた村山新治である。阿佐ヶ谷ラピュタで特集されていた。三國連太郎の「大いなる旅路」のオマージュであろうか。
鉄道員仲代達矢とその妻佐久間良子。佐久間の美しさが引き立つ。今だと石原さとみか。悠木千帆がいい演技で盛り立てていた。鈴木やすしも。
2025年4月8日火曜日
相米慎二「ラブホテル」
20代の半ばでテレビコマーシャルの制作会社に潜りこんだ。ほんの駆け出しの頃、実相寺昭雄監督の仕事をすぐ傍で見せてもらったことがある。
ラッシュ編集を終え、制作進行の先輩が「監督、ナレーターはどうしましょうか」と訊く。監督は「ノウちゃんがいいんじゃないか」ということですぐに決まった。ノウちゃんとは俳優の寺田農。実相寺監督の映画にも何本か出演していたらしい(当時はそんなことすら知らなかった)。
ノウちゃんの語りは朴訥でアナウンサーみたいに喋るプロのナレーターとはまったく異なっていた。おそらくねらい通りだったのだろう、監督はその語りを2~3テイク重ねてOKを出した。
寺田農は本来不器用な俳優なのかもしれない。あるいは不器用を演じることができる稀有な人なのかもしれない。相米慎二監督のこの映画を観て、強く感じた。
ラッシュ編集を終え、制作進行の先輩が「監督、ナレーターはどうしましょうか」と訊く。監督は「ノウちゃんがいいんじゃないか」ということですぐに決まった。ノウちゃんとは俳優の寺田農。実相寺監督の映画にも何本か出演していたらしい(当時はそんなことすら知らなかった)。
ノウちゃんの語りは朴訥でアナウンサーみたいに喋るプロのナレーターとはまったく異なっていた。おそらくねらい通りだったのだろう、監督はその語りを2~3テイク重ねてOKを出した。
寺田農は本来不器用な俳優なのかもしれない。あるいは不器用を演じることができる稀有な人なのかもしれない。相米慎二監督のこの映画を観て、強く感じた。
2025年2月24日月曜日
フィリップ・カウフマン「ライトスタッフ オリジナル版」
「ライトスタッフ」は好きな映画でテレビで放映されていたのを録画したのが最初である。
3時間20分録画できるベータのテープに何とか収まったという憶えがある。
DVDプレーヤーを買ったとき、1枚もソフトを持っていなかった。はじめて買ったDVDは「ライトスタッフ」だった。
テレビでオリジナル版が放映されていた。どこがオリジナルなのかわからなかったが、ついつい見てしまった。
昔のように夢中になって見たわけではないが、夢中になって見ていた頃をちょっとだけ思い出した。
3時間20分録画できるベータのテープに何とか収まったという憶えがある。
DVDプレーヤーを買ったとき、1枚もソフトを持っていなかった。はじめて買ったDVDは「ライトスタッフ」だった。
テレビでオリジナル版が放映されていた。どこがオリジナルなのかわからなかったが、ついつい見てしまった。
昔のように夢中になって見たわけではないが、夢中になって見ていた頃をちょっとだけ思い出した。
2024年12月10日火曜日
森崎東「時代屋の女房」
阿佐ヶ谷ラピュタまで映画を見に行く。森崎東監督の「時代屋の女房」だ。十年以上前に見ているが、もう一度。
時代屋はかつて大井町に実在した古物商の店である。ロケも主に大井町駅辺りで行われており、懐かしい大井町の風景に出会える。大坂志郎がクリーニング店の店主を演じている。アイロンがけする大坂の後ろを横須賀線の電車が通り過ぎる。西大井駅ができる前のことである。
夏目雅子が買い物する魚屋は二葉一丁目の、大井町線のガード下にあった商店街だ。今は区画整理され、武蔵小山に通じる広い通りになってしまった。
時代屋はかつて大井町に実在した古物商の店である。ロケも主に大井町駅辺りで行われており、懐かしい大井町の風景に出会える。大坂志郎がクリーニング店の店主を演じている。アイロンがけする大坂の後ろを横須賀線の電車が通り過ぎる。西大井駅ができる前のことである。
夏目雅子が買い物する魚屋は二葉一丁目の、大井町線のガード下にあった商店街だ。今は区画整理され、武蔵小山に通じる広い通りになってしまった。
2024年10月29日火曜日
デヴィッド・リーン「戦場にかける橋」
録画してあった「戦場にかける橋」を観た。
たぶんずっと前に観たことはあると思うが、もう忘れている。クライマックスに向かうところなどずいぶん手が込んでいる。それにしてもあの爆破シーンはどうやって撮ったのだろう。ミニチュアか?まさか?
ビルマ(今のミャンマー)まで進軍していたというのは太平洋戦争初期の頃でまだ大日本帝国陸軍がイケイケドンドンだった時代だ。そんな景気よさを南房総七浦村が生んだハリウッドスター早川雪洲が巧みに演じている。
早川雪洲は房州千田の出身である。今の南房総市千倉町の西端に位置する千田、大川、白間津はかつては七浦村だった。白間津は母が生まれ育った集落であり、大川には伯母たちが住んでいた。今もいとこたちが白間津、大川に住んでいる。
早川の実家はあわびの養殖などしていたようである。そのために古くから渡米し、その技術を学んだという。僕の叔父は就職した広告会社を5年で退職し、ニューヨークに渡っている。どこで英語を学んだか知らないが、英語でコミュニケーションすることに抵抗を感じない風土がそこにあったのかもしれない。
たぶんずっと前に観たことはあると思うが、もう忘れている。クライマックスに向かうところなどずいぶん手が込んでいる。それにしてもあの爆破シーンはどうやって撮ったのだろう。ミニチュアか?まさか?
ビルマ(今のミャンマー)まで進軍していたというのは太平洋戦争初期の頃でまだ大日本帝国陸軍がイケイケドンドンだった時代だ。そんな景気よさを南房総七浦村が生んだハリウッドスター早川雪洲が巧みに演じている。
早川雪洲は房州千田の出身である。今の南房総市千倉町の西端に位置する千田、大川、白間津はかつては七浦村だった。白間津は母が生まれ育った集落であり、大川には伯母たちが住んでいた。今もいとこたちが白間津、大川に住んでいる。
早川の実家はあわびの養殖などしていたようである。そのために古くから渡米し、その技術を学んだという。僕の叔父は就職した広告会社を5年で退職し、ニューヨークに渡っている。どこで英語を学んだか知らないが、英語でコミュニケーションすることに抵抗を感じない風土がそこにあったのかもしれない。
2024年2月2日金曜日
千葉泰樹「大番 完結篇」
ラピュタ阿佐ヶ谷で千葉泰樹が特集されていたのをすっかり失念していた。「大番」「続大番」「続々大番」はすでに上映が終わっていた。
千葉泰樹の映画は以前「下町」を観たことがある。原作は林芙美子だ。
『大番』も少し前に原作を読んでいた。映画にしたらギューちゃんは加東大介だなと思っていたら、その通りだった。二枚目役は無理があるが、ギャングから庶民まで幅広い役を演じられる役者である。
返す返すも前3編を見逃したのは残念だ。
千葉泰樹の映画は以前「下町」を観たことがある。原作は林芙美子だ。
『大番』も少し前に原作を読んでいた。映画にしたらギューちゃんは加東大介だなと思っていたら、その通りだった。二枚目役は無理があるが、ギャングから庶民まで幅広い役を演じられる役者である。
返す返すも前3編を見逃したのは残念だ。
2024年1月8日月曜日
黒澤明「生きる」
久しぶりに映画を観た。
いやいや映画をまったく観ていないわけではない。テレビで放映される「インディ・ジョーンズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ホーム・アローン」などは毎度毎度楽しみに観ている。先日も「千と千尋の神隠し」を観たばかりだ。
NHKで黒澤明監督「生きる」を放映していた。志村喬の好演で評価の高い名作であるが、観るのははじめてである。志村の演技にましてすごいと思わせたのは斬新な構成である。映画の後半、一気にたたみかける編集の素晴らしさ。さすが世界のクロサワである。
NHKで黒澤明監督「生きる」を放映していた。志村喬の好演で評価の高い名作であるが、観るのははじめてである。志村の演技にましてすごいと思わせたのは斬新な構成である。映画の後半、一気にたたみかける編集の素晴らしさ。さすが世界のクロサワである。
2023年3月18日土曜日
高畑勲「柳川堀割物語」
柳川は町の中に長大な水路を持っている。干潟の上にできたこの土地は真水を得ることが難しい。
堀割の歴史は古いという。江戸時代になって現在の水路は整備されたらしいが、堀割はそれ以前からあったという。
川から水を引き、貯め、飲料水、生活用水として町で共有する。水はゆっくり海へと流れていく。翌朝になると堀割には新しい水が貯えられる。飲料水を汲むのはどの家庭でも早朝の仕事だったという。野菜や食器も洗う。汚水は流さない。洗濯した汚水は別に掘った穴に流す。定期的に水を抜いて、水草やゴミを取り除く。棲みついていた鮒や鯉などは市場に出し、あまったものは住民でわけ合う。これは水落としといって、祭礼なども営まれた。共同体のルールは自ずとできあがっていた。
高度経済成長期には柳川も上水道が整備された。堀割は荒れた。住民たちの、水の大切さに対する思いが希薄になってきたのが原因ではないかと。そして1977(昭和52)年、幹線水路以外を埋め立てて下水道を整備する計画が生まれる。汚い、臭い、蚊が大量発生するなど環境は悪化していた。
この計画に意を唱えた市職員がいた。当時市下水路係長広松元である。広松は上水道の役割を終えた堀割も地盤の維持や洪水時の排水路として機能することを主張。地盤が軟弱な干潟をコンクリートやアスファルトでおおい、農業用に地下水を汲み上げれば、確実に地盤沈下が起こる。また堀割は川であると同時に池でもある。洪水時の増水を一時的に貯め込むことができる。
かくして、柳川の堀割は再生したのである。
高畑勲が柳川に出向いたのは、アニメーション映画の舞台としてのロケハンだったという。そこで広松の話を聞き、ドキュメンタリー映画の制作を思い立ったという。
充実した2時間45分だった。
2023年3月15日水曜日
滝沢英輔「しろばんば」
神保町シアターで芦川いづみが特集されている。
あまりくわしく知らない女優であるが、「しろばんば」が上映されるというので観に行った。
あまりくわしく知らない女優であるが、「しろばんば」が上映されるというので観に行った。
原作は小学生か中学生の頃に読んでいる。伊豆湯ヶ島の山間の村が思い出される。
1962(昭和36)年公開。伊豆で撮影されたかどうかはわからないが、青々とした山々、きらきら光る川、日焼けした少年たち。モノクロームの映画なのに色合いを感じる。
北林谷栄が婆さん役で出演している。当時まだ50歳くらいだろうが、すっかり老婆になり切っている。義理の孫を溺愛するいい婆さんだと思う。
2023年1月19日木曜日
長崎俊一『西の魔女が死んだ』
梨木果歩の原作を読んだのは20年前くらいだろうか。
きっとこういう話は長女が好きだろうと思って、すすめてみたところたいそう気に入ったようである。
きっとこういう話は長女が好きだろうと思って、すすめてみたところたいそう気に入ったようである。
小学校の5年生か6年生か、たぶんそんな年頃だったと思う。
長女の本棚にはその後、『ピスタチオ』『水辺にて』『村田エフェンディ滞土録』などが並ぶ。
映画ができたのは知っていたが、なかなか観る機会を得ず、先日テレビでようやく観た。
ロケ地は南アルプス、八ヶ岳のふもとであるらしい。
清々しい風を感じる映画だった。
2023年1月4日水曜日
杉田成道「優駿ORACION」
去年録った映画を観る正月。
宮本輝原作のこの映画は公開当時、本物のダービー馬メリーナイス(1987年)がモデルになったと話題になった。
宮本輝原作のこの映画は公開当時、本物のダービー馬メリーナイス(1987年)がモデルになったと話題になった。
モデルといってもメリーナイスの生涯がオラシオンと重なるわけではなく、撮影時のモデルということだ。つまりメリーナイスがオラシオン役として出演したのである。
メリーナイスとコンビを組んだ騎手の根本康広(現・調教師)も出演している。ちゃんと演技もしている。
緒形拳・直人親子が生産者の親子役で出演している。ブラッドスポーツと呼ばれる競馬の世界を意識したキャスティングなのだろうか。
2023年1月3日火曜日
アーサー・ヒラー「夢を生きた男/ザ・ベーブ」
去年はヤクルトスワローズの村上宗隆がシーズン56本塁打をマークし、メジャーリーグでは大谷翔平が規定投球回数と規定打席数をクリアして、投手として15勝、打者として160安打、34本塁打を記録した。ともに規格外の選手で規格外の活躍だった。
大谷といえば、ベーブ・ルースと比較されることが多い。そもそもが投打両方で活躍した選手がいないからだ。
昨年録りためた映画をまとめて観るのが正月の暇つぶしになっている。
この映画でベーブ・ルースはホームラン打者としてだけでなく、投手としても登場する。
元祖二刀流を描いた貴重な作品だ。
2022年10月5日水曜日
デニス・ホッパー「イージー・ライダー」
録りためておいたハードディスクからこの映画を見つける。
カリフォルニアからニューオーリンズをめざして旅に出るキャプテン・アメリカ(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)。
カリフォルニアからニューオーリンズをめざして旅に出るキャプテン・アメリカ(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)。
大学生の頃、オートバイの免許を取って旅してみたいと思っていたことを思い出す。
それにしてもアメリカは広い。道はどこまでも続き、さまざまな人々を受け容れ、自由と保守といった思想の幅も広大だ。
自由が台頭し、迫害されはじめていた時代でもある。
同じ時代に生きて観ていたら、また違った感想を持っただろうが、同時代に生きて、観なかったことに少しだけ救われるような複雑な映画だった。
2022年4月30日土曜日
ハル・アシュビー「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」
1983年公開のローリングストーンズドキュメンタリームービー。
81年のツアーをベースに製作されているので83年リリースのアルバム「アンダーカバー」に収録された楽曲はない。
当時の新曲は「スタート・ミー・アップ」(同名でアルバムタイトルになっている)、「友を待つ」である。
選曲が渋い。
玄人好みの印象を受ける。
ひさしぶりにストーンズを堪能した。
2022年4月29日金曜日
宮崎駿「魔女の宅急便」
もう何度も何度も観ているのに、テレビで放映されるとついつい視てしまう。
子どもの弱さが哀しくて、せつなくて、少しだけうれしい映画だ。
子どもの弱さが哀しくて、せつなくて、少しだけうれしい映画だ。
公開されて30年以上経つというのにその読後感は変わらない。
古い映画が好きなのは、つくり手の「若さ」に出会えるからだ。
2022年4月23日土曜日
馬場康夫「私をスキーに連れてって」
1987年は今から35年前。
昔といえば昔だが、出演者の多くと自分が同じ世代であると思うとそう遠くない昔に思えてくる。
昔といえば昔だが、出演者の多くと自分が同じ世代であると思うとそう遠くない昔に思えてくる。
スキーは流行っていいたけれど、僕は誰かをスキーに連れて行ったこともなければ、連れて行かれたこともない。いちどもスキーをしたことがない。
三上博史、沖田浩之、原田貴和子がアマチュア無線のトランシーバーで交信するシーンがある。
この映画によってアマチュア無線ブームが再燃したと言われているが、そうだったのかなあと思う程度。
たしかに携帯電話のなかった時代、無線は便利だったろうと思う。
2022年2月28日月曜日
ベルナルド・ベルトルッチ「ラストエンペラー」
1987年公開の大作である。
劇場では観ていなくて、テレビで放映されたときに何度か観ている。
公開された当時は、清王朝の最後であるとか、満州建国など歴史的なことにはほとんど興味がなかったことを思い出す。
愛新覚羅溥儀の弟溥傑は昭和天皇の遠縁にあたる嵯峨浩と結婚する。
嵯峨侯爵邸は現在の杉並区郷土資料館になっている。
浩はこの邸から、結婚式場である軍人会館(現九段会館)に向かったという。
2022年1月26日水曜日
フレッド・M・ウィルコックス「禁断の惑星」
1956年に公開されたSF映画。
2200年には宇宙への移民がはじまっていた。
2200年には宇宙への移民がはじまっていた。
消息を絶った移民団の捜索に出かける宇宙船(空飛ぶ円盤)がたどり着いたのはアルテア4という惑星。
その星には地球よりも多くの酸素があった。
かつて住んでいた先住民族が高度な科学技術を駆使して、莫大なエネルギーを生成する設備を持っていた。
このエネルギーの源が原子力であるとすれば、化石燃料を燃やし続けた地球より空気はきれいなはずだ(2200年にはおそらく温室効果ガスも排出されてはいないだろうが)。
ずっとこの星に住んでいる博士の片腕ともいうべきロボット(ロビー)がすぐれている。
見た目はブリキのおもちゃのようだが(というかこのロボットをモデルに多くのおもちゃがつくられたのかもしれない)、既存の物質を分析し、再生することができる。
こんな都合のいいロボットは他に類を見ない。
2022年1月17日月曜日
野村芳太郎「影の車」
ラピュタ阿佐ヶ谷で松本清張特集。
加藤剛演じる主人公浜島は南房総千倉町瀬戸の出身(これは映画だけのオリジナルな設定であるらしい)。瀬戸は千倉駅周辺の集落で大きな砂浜がある。
僕が幼少の頃から訪ねてきた七浦、白間津は千倉町でも白浜町に接するはずれ。
瀬戸と聞くと千倉町の中心部というイメージがある。
もちろんロケ地は千倉ではなかろう(瀬戸に磯釣りをするような場所はないと思う)。
北陸のイメージが強いが、それは「ゼロの焦点」「鬼畜」など、野村芳太郎の観過ぎかもしれない。
岩下志麻扮する小磯泰子と浜島は幼い頃、千倉町で出会い、都心のベッドタウンの路線バスで再会する。
野村芳太郎、加藤剛、岩下志麻とくれば、この先どんな事件が起こるのか、固唾をのんで見守るしかない。
放っておけば単なる不倫ドラマである。
事件はいつどうやって起こるのか。
少年時代の重い記憶を引きずって生きる加藤剛。
「点と線」や「砂の器」のように犯人を追いつめる映画ではなく、追いつめられた者が犯罪を犯す心理サスペンスドラマだ。
原作も読んでみたくなった。
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