2020年7月23日木曜日

フランク・ダラボン「グリーンマイル」

以前、NHKBSで放映されていたとき、途中から観た。
次は絶対最初から観るんだと決めていた。
原作はスティーブン・キング。
ホラー的な雰囲気もあるが、ファンタジー。
もういちど観たくなる映画である。

2020年7月14日火曜日

ウッディ・アレン「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

コロナウイルス感染拡大はまだ収束には遠い。
ひさしぶりに来た映画館は、ひとつおき、一列おきに座席が指定されていた。
平日の昼間だから、さほど多くの客がいるわけではない。
ウッディ・アレンの新作は、いつものように(といっていつもそうだかどうかわからないけれど)おしゃれなドタバタ劇だった。
いったいラストはどうなってしまうんだろう、そんな心配をしながら観ていた。

2020年6月20日土曜日

ジョン・スタージェス「老人と海」

ヘミングウェイの『老人と海』を読んだとき、思い出したのは、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』だ。
ずいぶんひさしぶりにこの映画を観たけれど、どうしたわけか相米慎二「魚影の群れ」を思い出した。
サメが登場する場面の音楽は、昔からこういう曲なんだなと思った。

2020年6月8日月曜日

熊井啓「黒部の太陽」

吉村昭の小説に『高熱隧道』という黒部峡谷のトンネル工事を題材にした長編小説がある。
工事現場の岩盤は熱く、摂氏70度を超える。
ダイナマイトが自然発火したという。
この映画のトンネル工事の舞台は、関電トンネル。
長野県大町と富山県立山町を結んでいる。
高熱隧道のシーンが回想される。
トンネル工事の撮影場所は、建設会社の工場内に再現されたという。
熾烈な工事を再現する過酷な撮影現場もさることながら、(三船プロダクションと石原プロモーションによる)独立プロダクション製作というかつてない困難な道を切り拓いた大作である。

2020年6月5日金曜日

チャン・フン「タクシー運転手」

韓国映画をひさしぶりに観た。
ずいぶん前にもよく観たことがあったけれど、あまり記憶に残っていない。
思い出せるのは、「大統領の理髪師」「南極日誌」「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」くらいか。
要するにソン・ガンホとチョン・ジヒョンを憶えているに過ぎない。
この映画もソン・ガンホ。
時代背景としては「大統領の理髪師」より後だが、似た空気を宿しているように思う。
たいへんおもしろい映画であった。

2020年6月3日水曜日

アルフレッド・ヒッチコック「サイコ」

観たつもりでいてちゃんと観てなかった映画のひとつ。
ずいぶん昔に五反田駅に近い川沿いの映画館で観たつもりだった。
たしか「レベッカ」と二本立てだったような気がしているが、人の記憶はあてにならない。
睡魔に襲われたのかもしれない。
こうして観てみると、やはりホラーサスペンス映画だ。
音楽が素晴らしい。
ヒッチコックの映画だから当然彼も出演しているはずだろうが、気が付かなかった。

2020年5月29日金曜日

サム・ペキンパー「昼下がりの決斗」

主役は元保安官のジャッドだと思うけれど、「スティング」のように主役が複数という映画はよくある。
最後に生き残るのはどっちだろうなどと余計なことを考えてしまう。
西部劇というと乾いた質感、彩度の低い映像を思いうかべるが、色鮮やかな映画だった。
さすがアメリカのシネレンズと思った(機材のことまではわからないけど)。

2020年5月25日月曜日

井上梅次「嵐を呼ぶ男」

すぐ近くを山手線の電車や貨物列車が通り過ぎていく。
石段を上がったところに主人公国分正一の実家であるアパートがある。
裕次郎坂と名付けた人がいるという。
当時の人ではないし、その時代に観たわけではないから、映画については何とも言えないが、やっぱり石原裕次郎って人はスターなんだなと思う。
こんど裕次郎坂を見に行こう。

2020年5月22日金曜日

舛田利雄「あゝひめゆりの塔」

1968年。
沖縄は、まだ占領下にあった。
戦後の日本がいちばん熱かった年につくられた映画である。
思っていた以上にゆさぶられるものはなかった。
なぜだろう。
淡々と沖縄戦を追いかけた映画という印象だ。

2020年5月20日水曜日

チャールズ・チャップリン「独裁者」

NHKBSでまたしてもチャップリン。
1940年公開という。
微妙な時期に微妙な映画をつくったものだと思う。
他の作品(もちろんすべてを観たわけではないが)とくらべても、ツッコミが浅い。
チャップリンが何を訴えたかったのか、世の中に何を残したかったのかがよくわからなかった。

2020年5月1日金曜日

ルネ・クレール「巴里の屋根の下」

パリを舞台にした映画は数知れない。
手狭なアパートメントの前で歌を歌っていたジーン・ケリーを思い出す。
パリに行ったことはない。
きっとこんな街並みがあるんだろうなと思いながら観た。

2020年4月29日水曜日

チャールズ・チャップリン「殺人狂時代」

原題は「Monsieur Verdoux」、ムシュ・ベルドゥとはチャップリン扮する主人公の名前だ。
先にヒットした「黄金狂時代」にあやかって付けられた邦題か。
原案はオーソン・ウェルズ。
実在した殺人鬼を主人公に脚本を書き、チャップリンに主演を依頼したのがきっかけだそうだ。
チャップリンはそのとき断ったのだが、後に作品を考案する。
クレジットに“原案 オーソン・ウェルズ”とあるのはこのことによる。
チャップリン映画はいずれもコメディだけでなく、ある種の深みを持っているが、この作品も例外ではない。
重厚なメッセージを含んでいる。

2020年4月17日金曜日

チャールズ・チャップリン「街の灯」

このところチャップリンの映画ばかり観ているのは、毎週NHKBSで放映されているからだ。
古い映画には古い映画のよさがある。
場面展開はめまぐるしいものの、ストーリーはいたってシンプル。
心に残るつくりになっている。
ラストはこれでよかったのか、そうじゃない終わり方もおそらくあっただろうけれど、救われた気がした。

2020年4月10日金曜日

チャールズ・チャップリン「黄金狂時代」

NHKBSでチャップリン。
この作品は特に傑作として名高い。
山小屋のシーンやジョージアとの再会をはじめ、いくつものシーンが心に刻まれる。
映画史に残る名作だ。

2020年4月1日水曜日

チャールズ・チャップリン「モダン・タイムス」

志村けんが新型コロナウィルスによる肺炎で亡くなった。
そのニュースと呼応するようにBSプレミアムでこの映画が放映された。
歴史に残る名画であるが、なんといっても美術が素晴らしい。
喜劇の舞台であるにもかかわらず、それぞれのセットが文明を冷笑し、非人間的な時代を批判している。
舞台装置がしっかりしていることは、すぐれた喜劇に欠かせない要素だ。
「8時だョ!全員集合」を思い出してしまった。

2020年1月30日木曜日

佐藤純彌「おろしや国酔夢譚」

大黒屋光太夫のすぐれた功績は、その奇異な体験を書き残したことにある。
江戸時代から漂流民は多くあったと言われる。
アメリカやロシアに漂着した者はむしろ幸運な方で、たいてい破船して海の藻屑となっている。
光太夫ら白子浦の水主たちは、カムチャツカの島に流れ着いた。
可能性としてはかなり低い。
そして漂流民となった日本人が当時のロシアで生還する可能性は皆無に等しかった。
日本への帰還も奇跡なら、一連の漂流民の生活が書き記されていたことも奇跡である。
まさに奇跡の映画だ。

2020年1月20日月曜日

山崎貴「ALWAYS三丁目の夕日'64」

正月休みに録画した「ALWAYS三丁目の夕日」を立て続けに観た。
この映画の見どころは、コンピュータグラフィックスで再現されたなつかしい東京の風景、そして細かに描かれた小道具の数々など当時のシズル感ではあるけれど、何より素晴らしいと思えるのは、茶川竜之介(吉岡秀隆)と古池淳之介(須賀健太)の会話である。
ふたりの演技は秀逸なのだが、とりわけ吉岡の劇中劇的な、芝居には感嘆する。
淳之介に言いたくない台詞を言う、とりたくない態度をわざととる。
そんな芝居が観ているものをしっかり泣かせてくれる。
間に入ったヒロミ(小雪)も難しい表情を見事に演じている。

2019年12月31日火曜日

スティーブン・スピルバーグ「レイダース/失われたアーク」

年末の慌ただしい最中、BSでインディアナ・ジョーンズ。
何度観てもおもしろい映画こそ、本当におもしろい映画なのかもしれない。
行った先々でのトラブルにポジティブに向かい合う不死身のヒーローは、アメリカ映画の定石。
大学教授で専攻が考古学というのもインテリジェンスを感じさせる。
すごい映画だ。

2019年11月19日火曜日

川島雄三「箱根山」

原作は獅子文六。
加山雄三と星由里子、若大将カップルが主演の映画ではあるが、藤原釜足、東山千栄子、有島武郎、佐野周二、三宅邦子と脇役もすばらしい。
大人の事情に巻き込まれる乙夫と明日子。
加山雄三演じる乙夫はドイツ人とのハーフだが、不思議としっくりくる。
そういえば先日軽い脳梗塞を発症したとニュースが伝えていた。
若大将が心配である。

2019年11月12日火曜日

古川卓巳「太陽の季節」

終戦から10年が過ぎ、民主主義を植え付けられた子どもたちが時代の表舞台に登場する。
この映画は(原作も含めて)、その時代をシャープに切りとった作品といえる。
ところがこうして今観てみるとどうもピンとこない。
あまりに現実ばなれした感がある。
もちろん同時代を生きてきたわけではないから、腑に落ちない点は多々ある。
僕にとっては過去のある特殊な若者風俗としか映らなかった。

2019年11月7日木曜日

川島雄三「特急にっぽん」

獅子文六の『七時間半』では架空の特急列車ちどりが舞台。
東海道本線が全線電化されたとはいえ、電気機関車がけん引する特急列車では東京大阪間は7時間半かかっていた。
後に、この映画の舞台となる電車特急こだまが登場し、東京大阪は6時間半で結ばれる。
原作と映画のあいだに1時間の差がある。
背景には当時の鉄道技術の日進月歩がある。
2020年開業予定のJR山手線高輪ゲートウェイ駅付近には田町電車区(後に田町総合車両センター)という車両基地があった(田町駅寄りには東京機関区という機関車の基地があった)。
1960年、鉄道全盛期のなつかしい風景からこの映画ははじまる。
列車内のドタバタはおそらく車両基地に停めて撮影したのだろう、原作に輪をかけた喜劇が繰り広げられる。
フランキー堺は喜劇だけの俳優では決してないけれど、やはりコメディアンとして秀逸だ。
ずっと観たかった映画をようやく観ることができた。

2019年11月3日日曜日

ジョージ・ロイ・ヒル「明日に向かって撃て」

バート・バカラックの音楽が新鮮に聴こえるかつての名作をもういちど。
原題はButch Cassidy and the Sundance Kidといって、実在した強盗ふたり組だという。
「俺たちに明日はない(Bonnie and Clyde)」もそうだ。
ずっと昔に観たブッチとサンダンスはもっとかっこよかった気がする。
銀行強盗とかアウトローにもう憧れを持つ歳でもなくなったせいかもしれない。

2019年10月12日土曜日

山田洋次「息子」

父と息子と嫁は山田洋次が小津安二郎から受け継いだテーマか。
しっかり育てた兄、頼りない弟という構図は「東京家族」でもおなじみだ。
永瀬正敏といえば横浜ロケを思い出す。
デビュー作の「ションベンライダー」(相米慎二)「私立探偵濱マイク」など横浜がいちばん似合う俳優が東京の下町に溶け込んでいる。
都電荒川線の沿線がなつかしい。
三ノ輪橋、町屋、東尾久、川島征子の和久井映見が降りる停留所は飛鳥山だ。
哲夫が征子にラブレターを手渡す道端に石神井川の下流、音無川が流れている。

2019年10月8日火曜日

澁谷實「やっさもっさ」

今年は獅子文六没後50年ということらしく、神奈川近代文学館では獅子文六展が予定されていたり、ラピュタ阿佐ヶ谷では獅子文六ハイカラ日和と称して映画も特集されている。
観たい映画ばかりなのだが、映画が1000円になるのはあと少しかかるので尻込みしていた。
ようやく「やっさもっさ」を観る。
舞台は横浜根岸にある混血孤児の施設。
終戦直後の横浜が映し出される。
横浜駅ではシウマイ娘が崎陽軒のシウマイを売っている。
獅子文六の原作が映画化され、シウマイ娘は全国的に知られることになり、その人気にあやかって映画公開の翌昭和29年にシウマイ弁当が売られるようになったというが本当のところは知らない。
実は原作の『やっさもっさ』はまだ読んでいない。
筑摩書房がまだ文庫化していないからだ。
お昼はシウマイ弁当にした。

2019年9月24日火曜日

山田洋次「学校」


ロケ地は都電荒川線の小台か荒川遊園地あたりか。
京成電車の走る高架はおそらく町屋だ。
遠くに都電の踏切が見える商店街は梶原銀座に違いない。
再開発途上の南千住では遠くに隅田川貨物駅の建物が見えていた。
山田洋次の映画のなかでは「下町の太陽」「家族」が好きだ。
役者たちに力があって、演出を感じさせない。
この映画もそうだ。
西田敏行が大きな演技を抑えて、山田世界に溶け込んでいる。
すっかりなじんでいる。
夜間中学という設定自体にすでにテーマが見え隠れしているけれど、演出を超えたひとりひとりの演技に人々はきっと感動するのだろう。
田中邦衛、新屋英子、竹下景子。
誰もがみな素晴らしい。
映画そのものがいい学校だ。

2019年9月10日火曜日

ヴィンセント・ミネリ「巴里のアメリカ人」

ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」は仕事をしながらよく聴く曲だ。
お恥ずかしいことにこれが映画の主題歌だったと知ったのはつい最近のこと。
どんな映画だったのかたしめてみることにした。
主演がジーン・ケリーだからおそらくミュージカル映画だろうとは思っていたが。
詳しいことは書かないけれどラストは圧倒される。
パリのアメリカ人の夢とエネルギーがファンタジックに描かれている。
「ラ・ラ・ランド」みたいな映画だった。
そうじゃない、この映画が「ラ・ラ・ランド」のベースになっているのだ。

2019年9月4日水曜日

内田けんじ「鍵泥棒のメソッド」

内田けんじの映画をはじめて観たのは十数年前、「運命じゃない人」というタイトルだった。
登場人物が微妙にかかわり合いながら、それぞれの視点でストーリーが構成されている。
目からウロコというか、当時その斬新な構造の映画に驚いた記憶がある。
今回観たこの映画も桜井、コンドウ、水島香苗のそれぞれの視点が気になる。
プロットと脚本がしっかりできている映画だと思った。

2019年9月3日火曜日

小森白「太平洋戦争 謎の戦艦陸奥」

吉村昭の小説に『陸奥爆沈』という作品がある。
昭和18年柱島に停泊中の戦艦陸奥が突然の爆発事故を起こし、あっという間に沈没した事件を題材にした記録文学である。
この映画もその事件を題材にしている。
外国人スパイによる犯行というかたちになっている。
真実ではないだろうが、実際謎に包まれたままなのであるから、もしかすると真実だったのかもしれない。
戦艦陸奥は模型が使われている。
1960年という時代を考えるとミニチュアによる撮影以外に方法はなかったのかもしれない。

2019年8月30日金曜日

ジャック・スマイト「ミッドウェイ」

ミッドウェー海戦は1942年、太平洋戦争の火ぶたを切った真珠湾攻撃の7か月後の出来事である。
当初、アメリカが苦戦を強いられるが、当時はまだ零戦をはじめとする日本の戦闘機の性能と操縦技術がアメリカを凌駕していたのかも知れない。
ただ物資の豊富さと情報に対する敏感さは当然、アメリカの方がすぐれている。
それにしても日本海軍が善戦したことは、映画の演出ではあろうが評価したい。

2019年8月26日月曜日

市川崑「野火」

先日観た塚本晋也監督の「野火」はリメイク版で、1959年に市川崑の手によってこの作品は映画化されていた。
主人公田村一等兵は船越英二で孤立した日本軍の敗残兵役は高く評価されたという。
ポリデントで入れ歯を洗浄するすっと以前の船越英二である。