2020年9月12日土曜日

内田吐夢「飢餓海峡」

まぎれもない名作であるが、原作を読んだこともなく、映画も観たことはなかった。内田吐夢監督の映画もおそらくはじめて。

やはりこういう映画は観ておかなくてはいけない。たとえそれが3時間であろうが4時間であろうが(実際のところ録画したものを二日にわけて観た)。

10年前の事件。証拠はない。記憶と証言だけが頼りだ。

人を信じるか、信じないか。これはたいせつなことだ。人間として深い問題を含んでいる。

2020年9月7日月曜日

藤田敏八「赤ちょうちん」

タイトルは赤ちょうちんだが、赤ちょうちんは出てこない。主題歌もかぐや姫の「赤ちょうちん」だが、赤いマフラーをして銭湯から帰るシーンはあるが、その歌詞は「神田川」のもので「赤ちょうちん」ではない。

かといって題名から想像できる内容の映画ではないとも言えない。1970年代の空気がそこに漂っている。どこかで見たことのある風景が連なる。どこにでもあるような町が映し出される。どこかにいたであろう若者たちが住んでいる。

でも、人も町も風景も遠い過去になってしまっている。

2020年9月1日火曜日

曽利文彦「ピンポン」

漫画が原作という映画は多い。

松本大洋原作のこの漫画を雑誌に連載されている頃から読んでいた。映画化されると聞いて、楽しみにしていた。

というわけでもう何度も観ている。今回で何回目になるだろう。

それでも月本が井浦新だったのか、とか脚本は宮藤官九郎だったんだとクレジットを見てはじめて気が付くことも多い。

僕はこの映画の、どこを観ていたのだろう。

先日藤沢に行ったことを思い出した。