終戦の日にテレビで放映された「火垂るの墓」を久しぶり観た。
空襲で母親と家を失ったきょうだいの哀しい物語だ。野坂昭如の実体験に基づいた短編小説が原作になっている。
次の週、ラジオを聴いていたら今の若い人たちを中心にこのきょうだい、とりわけ兄の清太に対して、自己中心的であるとか、未熟であるといった批判が多いという。戦時下の過酷な状況は誰にとっても同じなのに邪魔者扱いする遠縁の親戚に反抗的な態度をとったりするのはおかしいというわけだ。できもしない自活をして、盗みを働くなど言語道断だという。
ああ、そういうものの見方もあるのだなと思った。