2014年11月27日木曜日

杉江敏男「大学の若大将」

加山雄三の歌う姿をテレビで視て、若大将時代の映画を観たくなった。
レンタルビデオ店には若大将シリーズが寅さんくらいたくさん並んでいた。とりあえずいちばん端にあった「大学の若大将」を選ぶ。
若大将をはじめ、出てくるみんなが前向きだ。そういう時代だったんだろう。最後は青大将も前向きだった。
若大将を乗せて外苑西通りを突っ走る青大将はかっこよくすらあった。熱気のある時代だったとはいえ千駄ヶ谷界隈はまだまだのどかだった。

2014年11月24日月曜日

山田洋次「下町の太陽」

川が流れている。橋が架かっている。荒川駅と京成曳舟駅が見える。都電の停留所は三ノ輪だ。荒川駅は今、八広とその駅名を変えている。
荒川土手から下町をながめることができる。工場がある。千住の長屋がある。そこに下町の人が生きている。高度成長をとげる戦後日本の青春が息づいている。
倍賞千恵子が歌っている。下町の太陽を歌っている。健気で凛々しく、美しく輝いている。

2014年11月3日月曜日

澤井信一郎「早春物語」

早慶戦で昨日早稲田が先勝し、今日勝てば優勝。負ければ明治という局面。
昨日は神宮に行ったが、今日はBSプレミアムで映画を観る。
1985年の作品。それほど昔の作品でもないのだが、鎌倉や日比谷界隈の風景が妙に生々しく見えて、昭和30~40年代の映画より古くさく感じられた。不思議なことに。

2014年11月2日日曜日

今村昌平「うなぎ」

吉村昭の短編「闇にひらめく」が原作ということでうまそうな蒲焼を期待して観た今村作品。
うなぎを獲るには獲るが、うなぎ獲りではなく主人公は床屋になる。
しかもご丁寧に刑務所入りのきっかけやら仮釈放のようすまで描いてあって、期待はずれも甚だしい映画だった。

2014年11月1日土曜日

ベネット・ミラー「カポーティ」

『冷血』を読んだのは1985年。
どちらかというとカポーティの“イノセントもの”が好きだった僕にはちょっと(というか大きく)異質な小説だった。
この映画は彼が『冷血』を書き上げるまでを描いた伝記的映画。
やっぱり僕には異質なカポーティだった。
いちばん最近読んだカポーティは『叶えられた祈り』だ。