2019年10月12日土曜日

山田洋次「息子」

父と息子と嫁は山田洋次が小津安二郎から受け継いだテーマか。
しっかり育てた兄、頼りない弟という構図は「東京家族」でもおなじみだ。
永瀬正敏といえば横浜ロケを思い出す。
デビュー作の「ションベンライダー」(相米慎二)「私立探偵濱マイク」など横浜がいちばん似合う俳優が東京の下町に溶け込んでいる。
都電荒川線の沿線がなつかしい。
三ノ輪橋、町屋、東尾久、川島征子の和久井映見が降りる停留所は飛鳥山だ。
哲夫が征子にラブレターを手渡す道端に石神井川の下流、音無川が流れている。

2019年10月8日火曜日

澁谷實「やっさもっさ」

今年は獅子文六没後50年ということらしく、神奈川近代文学館では獅子文六展が予定されていたり、ラピュタ阿佐ヶ谷では獅子文六ハイカラ日和と称して映画も特集されている。
観たい映画ばかりなのだが、映画が1000円になるのはあと少しかかるので尻込みしていた。
ようやく「やっさもっさ」を観る。
舞台は横浜根岸にある混血孤児の施設。
終戦直後の横浜が映し出される。
横浜駅ではシウマイ娘が崎陽軒のシウマイを売っている。
獅子文六の原作が映画化され、シウマイ娘は全国的に知られることになり、その人気にあやかって映画公開の翌昭和29年にシウマイ弁当が売られるようになったというが本当のところは知らない。
実は原作の『やっさもっさ』はまだ読んでいない。
筑摩書房がまだ文庫化していないからだ。
お昼はシウマイ弁当にした。