2014年9月15日月曜日

成瀬巳喜男「乱れ雲」

昭和42年、成瀬巳喜男監督最後の作品。
司葉子の姉が草笛光子でその幼い息子が「バーハーハイ、ケロヨン!」と口にしている。まさしく僕らの子ども時代だ。
成瀬映画の加山雄三はどこかひねくれた青年だ。いや、一途で頑固な男というべきか。その愚直さがひとりの女の人生をゆさぶる。
海外転勤を前に司葉子に会いにくる。
「夏はいいなあ。僕は一年じゅうで夏がいちばん好きです。このままいつまでも夏がつづくといい」とその心情を吐露する。
「乱れる」では温泉酒場の女将だった浦辺粂子が加山の母親役。息子を思う、やはり一途で頑固な人を演じている。加山雄三が名優に囲まれてのびのび演技している。さすが若大将だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿