中学の頃。よせばいいのに生徒会の役員にさせられた。僕が通った中学校は他にあまり例を見ない学園祭があった。たぶん、教育労組懇談会という組合(日教組)とは少し性格を異にした組織に加入する教員が多かったせいだろうと思っている。生徒の自主独立をめざしたのかもしれない。
その学園祭で他の中学校の生徒会役員を呼んでディスカッションするといったイベントが企画された。もうそれだけで生徒の自主独立じゃないよね、自主独立を求める教師たちの思惑だよね。
で、その会合にひときわ美しい女生徒がいたのだ。恋に落ちるとかそんな余裕すら感じさせない圧倒的な美人だった。僕はただでさえ人前で声を出すことなんてなかったから、彼女と話すこともなく、当時の生徒会長と他校の生徒会とのやりとりで終わった。
2年後、高校にすすむ。なんとその美人がいるではないか。クラスは違うが、何組かをつきとめて名簿で調べると彼女は同じ区内の中学校出身でその名はサクマヨシコだった。中学時代と同様、僕は見知らぬ人に話しかけるのが苦手で結局彼女と会話する機会はなかった。廊下ですれ違ったとき、彼女が少しでも、この人知ってるかもしれないみたいな視線を投げかけていれば別だが、そんなこともなかった。
高校を終え、大学に進学した。同じ高校から10数人がすすんだ。そのなかにサクマヨシコがいた。
一度だけ彼女と会話したことがあるような気がしている。大学生になってから、同じ高校でしたよねみたいな視線を投げかけられて声をかけたような記憶もある。仮にあったとしてもどのみちそれっきりである。
昭和42年の映画を観る。監督は東映で現代劇中心に撮っていた村山新治である。阿佐ヶ谷ラピュタで特集されていた。三國連太郎の「大いなる旅路」のオマージュであろうか。
鉄道員仲代達矢とその妻佐久間良子。佐久間の美しさが引き立つ。今だと石原さとみか。悠木千帆がいい演技で盛り立てていた。鈴木やすしも。
2025年4月18日金曜日
2025年4月8日火曜日
相米慎二「ラブホテル」
20代の半ばでテレビコマーシャルの制作会社に潜りこんだ。ほんの駆け出しの頃、実相寺昭雄監督の仕事をすぐ傍で見せてもらったことがある。
ラッシュ編集を終え、制作進行の先輩が「監督、ナレーターはどうしましょうか」と訊く。監督は「ノウちゃんがいいんじゃないか」ということですぐに決まった。ノウちゃんとは俳優の寺田農。実相寺監督の映画にも何本か出演していたらしい(当時はそんなことすら知らなかった)。
ノウちゃんの語りは朴訥でアナウンサーみたいに喋るプロのナレーターとはまったく異なっていた。おそらくねらい通りだったのだろう、監督はその語りを2~3テイク重ねてOKを出した。
寺田農は本来不器用な俳優なのかもしれない。あるいは不器用を演じることができる稀有な人なのかもしれない。相米慎二監督のこの映画を観て、強く感じた。
ラッシュ編集を終え、制作進行の先輩が「監督、ナレーターはどうしましょうか」と訊く。監督は「ノウちゃんがいいんじゃないか」ということですぐに決まった。ノウちゃんとは俳優の寺田農。実相寺監督の映画にも何本か出演していたらしい(当時はそんなことすら知らなかった)。
ノウちゃんの語りは朴訥でアナウンサーみたいに喋るプロのナレーターとはまったく異なっていた。おそらくねらい通りだったのだろう、監督はその語りを2~3テイク重ねてOKを出した。
寺田農は本来不器用な俳優なのかもしれない。あるいは不器用を演じることができる稀有な人なのかもしれない。相米慎二監督のこの映画を観て、強く感じた。
2025年2月24日月曜日
フィリップ・カウフマン「ライトスタッフ オリジナル版」
「ライトスタッフ」は好きな映画でテレビで放映されていたのを録画したのが最初である。
3時間20分録画できるベータのテープに何とか収まったという憶えがある。
DVDプレーヤーを買ったとき、1枚もソフトを持っていなかった。はじめて買ったDVDは「ライトスタッフ」だった。
テレビでオリジナル版が放映されていた。どこがオリジナルなのかわからなかったが、ついつい見てしまった。
昔のように夢中になって見たわけではないが、夢中になって見ていた頃をちょっとだけ思い出した。
3時間20分録画できるベータのテープに何とか収まったという憶えがある。
DVDプレーヤーを買ったとき、1枚もソフトを持っていなかった。はじめて買ったDVDは「ライトスタッフ」だった。
テレビでオリジナル版が放映されていた。どこがオリジナルなのかわからなかったが、ついつい見てしまった。
昔のように夢中になって見たわけではないが、夢中になって見ていた頃をちょっとだけ思い出した。
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