中学の頃。よせばいいのに生徒会の役員にさせられた。僕が通った中学校は他にあまり例を見ない学園祭があった。たぶん、教育労組懇談会という組合(日教組)とは少し性格を異にした組織に加入する教員が多かったせいだろうと思っている。生徒の自主独立をめざしたのかもしれない。
その学園祭で他の中学校の生徒会役員を呼んでディスカッションするといったイベントが企画された。もうそれだけで生徒の自主独立じゃないよね、自主独立を求める教師たちの思惑だよね。
で、その会合にひときわ美しい女生徒がいたのだ。恋に落ちるとかそんな余裕すら感じさせない圧倒的な美人だった。僕はただでさえ人前で声を出すことなんてなかったから、彼女と話すこともなく、当時の生徒会長と他校の生徒会とのやりとりで終わった。
2年後、高校にすすむ。なんとその美人がいるではないか。クラスは違うが、何組かをつきとめて名簿で調べると彼女は同じ区内の中学校出身でその名はサクマヨシコだった。中学時代と同様、僕は見知らぬ人に話しかけるのが苦手で結局彼女と会話する機会はなかった。廊下ですれ違ったとき、彼女が少しでも、この人知ってるかもしれないみたいな視線を投げかけていれば別だが、そんなこともなかった。
高校を終え、大学に進学した。同じ高校から10数人がすすんだ。そのなかにサクマヨシコがいた。
一度だけ彼女と会話したことがあるような気がしている。大学生になってから、同じ高校でしたよねみたいな視線を投げかけられて声をかけたような記憶もある。仮にあったとしてもどのみちそれっきりである。
昭和42年の映画を観る。監督は東映で現代劇中心に撮っていた村山新治である。阿佐ヶ谷ラピュタで特集されていた。三國連太郎の「大いなる旅路」のオマージュであろうか。
鉄道員仲代達矢とその妻佐久間良子。佐久間の美しさが引き立つ。今だと石原さとみか。悠木千帆がいい演技で盛り立てていた。鈴木やすしも。
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