観終わって、よかったなと思える率が高いのが小泉尭史の作品だ。
難解な数学用語が出てくる。しかしそれらに難しさが感じられない。純度を高めれば高めるほど、すっと心に入り込んでくる。学問って本来そういうものなんじゃないかと思えてくる。
シーンがいたってシンプルだ。
博士の家とそこにいたる道、家政婦紹介所、散歩、少年野球、そして数学教師になったルートが教壇に立つ教室(職を失った深津絵里が仕事場を転々とする場面はあるものの)。
ところどころ季節の移ろいを見せる実景が効果的にはさみこまれている。無駄がない。
博士が好きそうな構成だ。
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